初心者でも簡単!『お出汁』の使い方

料理のオキテ

お料理に欠かせない「お出汁」。
特に和食ではよく耳にするけど、とり方とか使い方とかよくわからない…
という方も多いのでは?

実は、出汁ってそんなに難しくないんです。
毎日のお料理で使う出汁の取り方や、ちょっとトクベツな日のお料理で使う方法までまとめてみました。
最後には、「出汁が効いてる」お料理のレシピも掲載中。
ぜひ、最後まで読んでみてくださいね。

出汁の役割

そもそも、お出汁は料理の中でどんな役割なのでしょうか?
【出汁】とは、食材の旨み成分が抽出されたもので、その料理の基礎の部分になる、と言っても過言ではありません。
この旨み成分は、具体的な科学的成分として、以下のようなものが挙げられます。

・グルタミン酸ナトリウム
・グアニル酸ナトリウム
・イノシン酸ナトリウム

家庭科の授業等で聞き覚えがある方も多いのではないでしょうか。
このような成分が「旨味」として食材に含まれています。

ちなみに「旨味」とは、甘味や塩味と並ぶ基本味のうちの一つで、旨味があるのとないのとでは大きく違います。
具体的には、

コクが出る
深みが増す

といった表現がされる味です。

美味しいことを表現する言葉として、同じ「うまい」を使いますが、旨味は美味しいこととはちょっと違うのでご注意を!

お出汁の種類とキャラクター

とはいったものの、出汁ってかなりたくさんの種類がありますよね。
それぞれの特徴を見てみましょう。
キャラクターを知れば、どの料理にどのお出汁を…と迷わなくて済むかもしれません。

香り豊かな風味が特徴!かつお出汁

まずは、「お出汁」といったらこれ!というくらいメジャーな、「かつお出汁」。
特徴的な香ばしい香りが特徴です。
出汁の取り方も非常にシンプル。
沸騰した湯にかつお節を入れて、一分ほど加熱し、火を止めかつお節が沈んだら、上澄みをすくいます。

この方法でとった出汁を「一番出汁」と呼びます。
よく、麺つゆなどの商品パッケージで見る言葉かもしれません。

一番出汁とは、その名の通り、「一番最初にとった出汁」。
出汁の香りが非常に高い一番出汁は、以下のような料理によく使用されます。

・すまし汁
・茶碗蒸し
・だし巻き卵

一方、一番出汁の出汁ガラを再利用してとったものを、「二番出汁」と呼びます。
二番出汁は、一番出汁ほど香りはありませんが、その分凝縮された旨味が特徴です。

二番出汁の場合は、一番出汁の出汁ガラに水を加えて2~3分加熱し、かつお節が沈んだら上澄みをすくいます。

二番出汁は、強い旨みを利用した料理に適しています。

・味噌汁
・煮物
・おでん

誰とでも合わせられます!昆布出汁

昆布出汁は、かつお出汁と並ぶ「お出汁」の代表格ですね。
その特徴は、「雑味が少なくてあっさりとしている」こと。そのため、幅広い料理に使用することができます。

・おでんなどの鍋料理
・魚料理
・精進料理

実は昆布出汁が誰とでも合わせられるオールラウンダーなのには、他にも理由があります。
昆布の旨み成分である「グルタミン酸ナトリウム」は、他の旨み成分と混合することで、「旨みが強くなる」という特徴があります。

この特徴を最大限に活かしたのが、「鰹と昆布の合わせ出汁」。
こちらも、よく麺つゆなどの商品で目にしますね。
これを「旨味の相乗効果」といい、トマト(グルタミン酸ナトリウム)と牛肉(イノシン酸ナトリウム)を合わせたミートソースも、この「旨味の相乗効果」を利用した料理といえます。

そんな昆布出汁の取り方も、至ってシンプル。
水に昆布を投入し、30~60分放置するだけ。
このままでも出汁として使えますが、より深い旨味を出したいときは、中火で沸騰直前まで煮出してください。鍋底から泡がふつふつとしてきたら、昆布を取り出すと、昆布出汁の完成です。

和食も中華もお手の物!干し椎茸出汁

少しのクセと濃厚な香りが特徴の干し椎茸出汁。
和食にもよく使われますが、中華料理にも多く使われています。
こちらも植物性の出汁なので、よく精進料理にも使われてきました。
水に30分ほど浸漬させ、そのまま火にかけて沸騰直前の状態を10分ほどキープすると、出汁の完成です。
余談ですが…干し椎茸を水に漬けて戻した時の汁も立派な「お出汁」。ぜひ、そのままお料理に使ったり、椎茸を取り出した後スープのベースにしたり、有効活用してくださいね。

洋風出汁といえばこれ!ブイヨン

今までご紹介してきた出汁は「単独の食材から抽出する出汁」だったのに対し、ブイヨンは牛スネ肉や鶏の骨を、玉ねぎ・にんじん等の野菜、香草など、たくさんの材料を一緒に煮詰めた出汁のことです。
主に洋食に使われ、以下のような様々なシーンで活躍します。

・スープのベース
・ソース
・煮込み料理

取り方も今までご紹介した出汁とは異なり、かなり手間暇をかける必要があります。
全ての材料を粗めに切って、出来上がり水量の2倍ほどの水を入れ、10~30分ほど浸漬し、その後火にかけ、アクを掬いながら弱火で加熱、1~2時間後に布で濾して完成です。
様々な材料とたくさんの時間をかけてとられるブイヨンは、それだけでスープにできるくらい濃厚なお出汁をとることができます。

お出汁が美味しい料理紹介

ここまで、さまざまなお出汁をご紹介してきました。
ですが、このお出汁たちは具体的にどんなお料理に使えるの?と思っている方も多いはず。
そこで、日本で比較的メジャーなお出汁である、「かつお出汁」と「昆布出汁」を使った料理を二つご紹介します。
どちらも簡単に作れるものなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


【かつお出汁使用レシピ】
すまし汁

○材料(2人分)
・かつお出汁(一番出汁)…400ml
・塩…小1/2
・濃口しょうゆ…小1
 →ある場合は薄口しょうゆ
・手鞠ふ…2g(ひとり3つくらい)
・みつば 1〜2本(5g)

栄養価(1人分)
・エネルギー…44kcal
・たんぱく質…1.4g
・脂質…0g
・炭水化物…1.0g
・食塩相当量…2.1g

○作り方

  1. みつばの準備をする。茎は5cmくらいの長さに切り、葉はできるだけそのまま
  2. 沸騰した水に、塩(分量外)を加え、茎から茹でる。2分ほどしたら葉も加え、青く色付いてきたらザルにあげる。
  3. 一番だしを取る。沸騰した水に鰹節を入れ、一分ほど加熱し、火を止める。この時、鍋はかき混ぜない。鰹節が沈んだら、上澄をとる。(だしをとった鰹節は、もう一度だしをとって味噌汁や煮物に使ってもいいし、水気を切っておかかにしても◯)
  4. 顆粒だしの場合は、沸騰した水に顆粒だしを入れ、沸騰させないようにだしを溶かす。
  5. だしに、塩としょうゆを入れる。
  6. 切った豆腐を鍋に入れ、弱火で2~3分煮る。(だしの風味が飛ぶため、グラグラと沸騰させない)
  7. 豆腐が温まったらみつばを入れてすぐに火を止めお椀に盛り付ける。

【昆布出汁使用レシピ】
関西風うどん

◯材料(2人分)
・うどん…2玉
・昆布出汁…600ml
・濃口しょうゆ…大1/2
・塩…小1/2
・卵…2個
・小ネギ…1/2束

栄養価(1人分)
・エネルギー…204kcal
・たんぱく質…11.3g
・脂質…7.1g
・炭水化物…25.3g
・食塩相当量…2.6g

◯作り方

  1. 出汁を取る。水に、布巾で拭いた昆布を30分ほど浸漬し、火にかけて沸騰直前の温度で10分ほど煮出す。
  2. 1.に調味料を入れて温め、出汁にうどんを入れる。(乾麺の場合は茹でておく)
  3. うどんに火が通ったら、卵を入れて蓋をし、火を止める。
  4. 薬味のネギを散らす。

まとめ

出汁はたくさん種類があるけど、それぞれに得意料理がある
「旨味の相乗効果」で旨みをもっと強く
出汁を使いこなして、旨味を操ろう

いかがでしたか?
実はかなり奥深い「お出汁」のお話でした。
今回ご紹介したお出汁は、代表的なものを一部紹介したに過ぎません。
他のお野菜やたんぱく性食品にも「旨味」はたくさん隠れているので、日々の食事から探してみてくださいね。

お出汁をうまく利用して、毎日の食事をより美味しくしていきましょう!

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